千本ゑんま堂大念佛狂言
千本ゑんま堂大念佛狂言に行ってきました。
京都には、千本ゑんま堂の他に、壬生寺、清凉寺、神泉苑で大念佛狂言が行われとります。
ほんまのことゆうと、ぼくは壬生狂言のが好きなんどすけど…。
なんか、千本ゑんま堂はいろいろと残念どして…。
本堂とか、舞台の屋根がトタンやし…。
まぁ、それは火事で焼けてしもたからやけど…。
でも…どうやら、狂言の歴史が古いんは千本ゑんま堂はんみたいどす。
それを考えると、よけいに残念どすけど…まぁ、これは ぼくの個人的な感想どす。
さて、この千本ゑんま堂大念佛狂言は、庶民的なんが売りどすな。
他の大念佛狂言は無言劇どすけど、千本ゑんま堂さんのは台詞ありますから、アドリブとかもあって、おもしろおかしく上演されとります。
そんな中でも、宗教的な色合いがあるのが、毎年最後に上演される千人切りどす。
この千人切りいいますんが、お寺に伝わる由緒に基づいた演目どして…。
その昔、ゑんま堂周辺は都を荒らし回る賊の集団の住処になっとったんやそうどす。
その賊を退治するように命じられたんが源為朝はん。
この為朝はんが襲来する数千人もの賊を金剛杖でなぎ倒すと、あら不思議!
この金剛杖にあたった人は、善心を取り戻し、病も治り、災いも消えたんやそうどす。
それにあやかった演目が千人切りなんどすな。
千人切りに先立って、千人切りの前の演目を上演中に、本堂では何やらお経が唱えられとります。
庵主さんに、千人切りに出演する面々…。
中央に座ったはる白い衣装の方が、為朝役どす。
為朝の他に、親鬼、子鬼、カラスゆう、三役と呼ばれる役の方がいたはります。
何やら本堂を逆時計回りに回っとりますなぁ。
宗教チックどす。
そしてこの儀式を終えてから、為朝はんと三役は、客席を通って舞台へ…。
舞台では、すべての演者が為朝はんの金剛杖に切られて、災いを祓ってもらいます。
演者の方は思い思いに、口上をきってから切られに行くんどすけど…。
時事ネタとかで笑わす演者はんもおられて、一見一番庶民的な演目に見えますが、一番宗教的なんどすわ。
で、舞台での上演が終わった後が本番。
本堂に場所をうつして…。
今度は参詣者も、為朝はんの金剛杖に切ってもらえるんどす。
そのためには、千人切りの矢を一本500円で買わなあきまへん。
何でも、ただでご利益が受けられる思うんはあつかましおすぇ?
ちゃんとぼくらは買うて、切ってもらってきました。
これで一年災いなしどす。
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